献血

献血好きの友達が多い。「献血の針は太いんだよ…!」と嬉しそうに語る友人を見ると複雑な気持ちになる。

しかし、やってみたいとは思うのだ。

自分に近い血液の人に渡るのか、と思うとなんだかロマンチックではないか。まさしく運命というもので、その相手が女性だったら直ちに結婚したい。運命の赤い、血…。献血で誰に自分の血が渡ったのかわからないのがとても悔やまれる。


でもやはり、どうしても踏み出せない。


「あなたの血を待っている人がいます」

そんなフレーズがよく言われる。でも仮に待っていなかったら…?

僕の血は相当惨めな気持ちになるだろう。遺伝子レベルで自分が必要とされていないことがわかってしまうから。そうなってしまうと自分の血が不憫でならない。今どきの大学生男子のメンタルは毛細血管のように繊細なのだ。


…これも言い訳か。今度献血に行ってみよう。毎週、近所のスーパーの前に献血カーがやってくる。献立を考えつつ献血に、なんて、ありでしょう。